今さ、「音楽の日」っていう番組見てて、
これ何年か前から始まって、最初の年は楽しく見てたんだけど、
今はそんなに楽しく見るという感じでもなくなった。
「昭和のアーティスト」をわざわざ引っ張り出して歌わせて、
斉藤由貴さんがちょっと微妙な感じになっていた。。
生だから安易に出しちゃダメよ。
そのあと金爆が出てて爆笑したけど。。
ほんと彼らだけは外さないので感心しますが。。
なんかさ、近年やたらに歌唱力のある人、
ボカロカバーなどで難易度がめちゃくちゃ高い曲を歌いこなすバカテクの人が出てきて、
新旧の日本のアイドルは否定されたりしていて、
韓国のグループの方がクオリティが上、日本のカルチャーはクソとか言われたりもしてるけど、
クオリティ高い人しか認めなくなったら、もうそれ人間が必要ない方向にしか行かないと思うんだけどね。
それはそれでまぁアリかもしれない。
ボカロのクオリティが上がればそれ聴いてればいいってことだし。
あとジャニーズみたいなのも、そもそも芸能界にのさばり過ぎでおかしいしね。
正直に言えば、我々の世代は、
歌が下手なアイドルなどをテレビで見ながら、
「ヘタクソか!」等と常にツッコミを入れてたし、それでも、
見た目のかわいさや楽曲の良さ、拙さを愛でるような気持ちなどで許容してきたわけ。
プロとしてあり得ない、という批判も仕方がないとどこかでは思いながら、
そういうものを売り出し、テレビに出させる側の責任でもあるからさ。
あと、おニャン子クラブも歌とか決して上手い人ばかりではないけど、
当時の熱気から生まれた曲には、若さの儚さを表すいいものもあったり、
青春の記憶としてすごく刻み込まれている曲、
あとニャンギラスのように、開き直った笑える曲があったり、
エンターテインメントとしては楽しめる面もけっこうあったので、
私は一概にそれを「下手」の一言で全否定することはできない。
別に、「それこそがエンターテインメントだ」とまで言う気はないですけど。
あくまで時代の流れでそうなっただけだとも思うから。
そういったものを何も知らないで、クオリティ一辺倒で、
今の若い奴が「BTSの方がすごい」と言うのは簡単で、勝ち馬に乗れる楽な作業ですが、
私たちの世代でも、そもそも日本の音楽にアイドルのような人らが存在せず、
クオリティ一辺倒でこれまで来ていたのなら、
同じことを言いたい気持ちもあるにはあるんですよ。
要はさ、「だるいな」と思ってたわけ、そういうアイドル文化のわちゃわちゃに延々付き合うのもさ。
自分らとなんら違わない、見た目もそこまでかわいくもない、
さして歌なども努力していないアイドルが、売れてチヤホヤされて、
あたかも「素人より上」という扱いをされることには、やっぱ納得いかない気持ちも、
なかったといえば嘘になる。
それでもさ、青春をいつの時代に送るかなんて選べないんだよ。
その時に流行ってるもの、あるものを我々は享受していくしかない。
今の時代に生まれて、全てのことがクオリティ高くて当たり前で、
でもそれって別に偶然で、自分が努力して勝ち取ったものでもないでしょ。
しかも、なんでも完成してるってことは、もう伸び代もあんまりないってことで、
ものを作るモチベーションも、情熱を傾けられるものも少ないはず。
一部の人にとってはこの状況はしんどいと思う。
あとさ、今叩かれている小山田君が活躍した90年代初頭も、
もうすでに今のような「いろんなことが完成された感」が割に蔓延していて、
だからこそサンプリングが流行ってDJが流行ったわけで。
もう、新しくものを作るよりも、在り物を編集する能力の方が上とか言われてたもん。
私はまだ若かったのでそうは思わず、バンドサウンドを愛してたので、
「なんだかんだ言って、サンプリングよりはやっぱり曲作ったり演奏したりする人の方が偉い」とはがきに書いて送って、
達郎さんにラジオで読まれたりもしたし。
でさ、この前のシロクマさんの、
「感情をあらわにするのは異常みたいな扱いになるかもしれない」という話でもちょっと思ったんだけど、
それについても、割に最初から、
「だるいな」「ヌルい」と思ってきたわけ、私なんかは。
最初からある程度問題のない世界なら、こんな議論やノスタルジーは不要なのよ。
例えば男尊女卑のような問題でも、今はけっこう意識が変わってきてはいるけど、
私などは、そこに問題があることは最初からわかってるわけ、だって女だから。
とことん憎悪してたし、おかしいというのはわかり切っているけど、
現実を見れば男の態度は旧態依然としてるわけじゃない?
そこで希望を持てなんて無理なんですよ。
全然ノスタルジーなんて持てない。
でさ、だんだんと時代が変わって、セクハラなどのハラスメントが問題となり、
コンプラがどうの、ポリコレがどうのという時代になって、
その問題がある程度フラットになったからといって、「進化した」とは思わないわけ。
とりあえず「やっと普通程度のレベルになった」と思うだけよ。
あくまでも、マイナスが0になった、という感覚。
それは先に書いた音楽、アイドルの話でもそうで、
マイナスが0になった、という感覚。
これまでが、無駄な回り道を延々させられただけのこと、という感じが、
私個人としては強い。
最初からさ、クオリティ一辺倒でやってりゃもっと違ったんじゃないの?と。
それでも、昔の時代はリソースとか人材もないし、メディアを筆頭にみんなの意識も低いし、
というので、目をつぶらざるを得なかった。
男らも、普通に女性を大事にして、対等に生きてりゃなんのことはないじゃんと。
今までがむしろ何してたのって話ですよ。延々と何十年ものうのうと生きてさ。
たださ、これって結果論で言っているからこうなるけど、
もし、自分が一切そういう拙いアイドルや、男尊女卑社会に触れずに、
今まで過ごしてきたとするなら、
ほとんど無駄にしか見えないそれらのものが最初からなかったとして、
豊かに過ごせてこられたかというと、それはわからない。
無駄がなく、全てにおいてクオリティも完成されていたら、
あんまりすることなかったんじゃないのかなと。
そのことがいいか悪いかも、なんとも言えない。
だから未熟な時代の方がよかったとも言い切れない。
かといって、今の時代がバラ色で楽しいとも言えない。
隙がなくなったよね、という感じでしかない。
小山田君のしたことや言ったことは、確かに若気の至りであり、
問題はあるんだけど、
そうした汚点が一つもない人や時代は存在しないでしょ。
今の政治とか見てよ。汚点しかない。
せっかくSNSが発達して、ネットも多くの人に普及したのに、
なんかそれによる恩恵を得るよりは、マイナス面ばかり目につくように感じる。
元々私は、SNSも嫌いだから、こういうことをすでに10年は言ってると思う。
「ネットとリアルは地続きではないし、そうなるべきではないし、
そうなったら楽しくもなんともないし、もはや自分の居場所でもない」と。
別の世界でいられるから、隠れ場所であり居場所であることができた。
地続きになるんであればもうその瞬間にいらないものだよ。
その方が都合がいい人らはそのままリアルに居ればいいだけなのだから。
正直もう、あんまり何をする意味も見出せないけど、
私がこういう文章を書かずにいられないのは、
やっぱり感情が動くからだと思う。
だって無駄じゃん、こんな文章書いたって。
でも書いてしまうのは、小山田君があまりに叩かれて見ていて辛い、
自分たちの世代が無闇やたらに否定され、嘲り笑われるのが辛いという、
心が痛む感情があるから。
厄介かもしれないけど、多分、感情がなければ動くためのモチベーションも出てこない。
それにしても、突然小山田君をぶっ叩き始めた人らって、
どういう層なのか興味あるよね。
もちろん渋谷系は興味ないだろうし、私はこの先一切関わりがない層かもしれないね。
そもそもが、五輪を中止していればこの騒ぎも起きなかったはず。
そうなると、「東日本大震災からの復興」の名の下に、
今回の五輪を誘致した人の責任になりますね。。