このレビューさ。。
こんなことを考えてたら演技なんかできないよね。
役者のことバカにしくさってない?
このレビューから先に読んで、映画を見てみたんだけど、
こんな邪なことをテーマに本当に物を作ってるとしたら反吐が出るんだけど。
坂元裕二って「カルテット」の人でしょ?
そもそもカルテットがそこまでいいドラマだとは思ってないんだけど、
(唐揚げにレモンのくだりとかめんどくさかった)
そうかといって押井守のチョイスが絶妙(マニアックといってもそこまでではない)とか、さすがに失礼じゃないの?
そんなくそ醒めた視点で脚本書いて映画が撮れるとしたら、
私は人としてちょっとどうかと思ってしまう。
この作品はそんなことが主題なの?
んでさ、よく映画とかマンガとかゲームを楽しめなくなったことを、
「年取って感受性が鈍った」って書いてるブコメとかあるけど、
一生若者ではいられないんだよ。
あと、こんな業界に関われる人だって少ない。
常にテンション高く、感性キレキレでいられるとしたらそっちが異常。
私が思ったことは、たとえ感受性が鈍ったとしても、
私はこの話に出てくる麦くんはいい男だと思った。
それに、常識人としての感性も持っていないと演技とかできない。
「お揃いのタトゥー入れるって覚悟がないとできないよね」とか、
「2014年のワールドカップでブラジルが負けた話」とかは、
どういう意図で語られてるのかわからない。
でも少なくとも侮蔑とか、ずれた若者という意図ではなかったと思うなあ。
冒頭のシーンを見返してみると、ただの受け売りを語ってるだけではある。
でもそれですら、この二人が別れても運命的に繋がってるというか、
やっぱり気が合って似ていて、
それでも生活や生きる世界の違いで別れたということに過ぎない、
と言っているようにも思える。
いずれにせよ、なんかそんな細かいことがテーマであるというなら、
自分はこの脚本家が多分好きではないんだろうなーと思うし、
マンガやアニメの実写化が悪いような言い方もどうなんだろう。
(もしくは、実写化に反発する若者が微妙ということかもしれないが、どちらにしても賛同しづらい)
ショーシャンクという固有名詞を出す必要があったんだろうか。
で、麦くんがマニアックではない人をバカにしているような描写から、
「この子絶対失敗する」とかレビューにあるけど、逆になってるよね。
就職したら見事なまでに社会に馴染んで責任感をやたらに発揮して、
オタク臭はほぼ消滅してるじゃない?
失敗するって結局なんのことかわからない。
あんなにすんなり社畜になれるのならむしろコミュ強なんじゃないの?
個人的に一番「あっ」ってなったのは、
「トーストを落としたらいつもバターを塗った方が下になってる」というやつで、
これは「男女7人夏物語」の貞九郎が言ってたやつ。
そのドラマ内で、良介が茹でたパスタをテニスラケットで湯切りするシーンがあって、
それが「アパートの鍵貸します」という映画に出てくるシーンで、
オマージュかなというところがあって、同時に思い出してしまった。
私は全体的に、生活が変化すれば気持ちがすれ違うカップルの話だと感じたし、
固有名詞にそんなに引っかからなかったなあ。作家とかは知らんというのもあるし。
「ハンドクリームを塗った後に手を拭いてた」はどうでもいいと思うよ。
そこらへんはぴんと来ないんですよ、この人のセリフって。
そんなことは多々あるよね、生活してたら。
そういう「あるある」みたいなのが、何一つ響かないんだよね、
この人の脚本って。
「トーストを落としたらバターを塗った方が必ず下になる」も、
「真実だと思うことが一つある」ということとしてモノローグで言われるけど、
これをオマージュだと思った自分には相当しょうもない感じに聞こえてしまった。
オマージュだと気付かない人にしたら面白いのかな?と思ってる時点で、
普通に考えたら失敗だと思うのよ。
普通にあるあるとして聞けば面白いけど、オマージュだと思うとつまらない、
と思わせることが狙いなのかな?
よくわからない。
とりあえず、どんなに感性が鈍ろうが、
自分を犠牲にして働いて、あんなに真っ直ぐにプロポーズしてくれる男はほんと素晴らしいよ。
確かに、自分が我慢してるからってストレスためて、
彼女に八つ当たりするのは良くはない。
それでも、結婚して奥さんと子供を食わせるためにと考えて働いてるし、
これはほんと愛情だよ。
別れ話の途中で結局別れるのやめようって言い出すのもかわいいし。
大して稼ぎもせず彼女を水商売で働かせて暴力振るって浮気も平気でしてた男より何倍もマシ。
だから、やっぱ現実では結婚してると思うなあ、このカップルは。
いつまでも夢を追いかけることしかできないバカ男の方が普通に捨てられてるよ。
この映画のレビューにも、この映画自体にも、どうも感情移入できない。。
件の暴力男に関して、麦くんは、
彼女をお水で働かせていることを反面教師として就活を始めるのに、
その男が急死した時にその思い出を彼女と語りたかったのに先に寝られた、
というのが、別れを考え始めるきっかけのようになっていて、これもすごく違和感がある。
矛盾がかなり多いんだよね。
それは意図的なものなんですかね?
特に思うのは、猫を飼い始めたことの意味の薄さ。
猫の存在自体、この映画にいらんとすら思う。
あれほんとにいる?
あとこのタイトルはなんなんでしょうか。
相当な違和感だよね。。
ボーイミーツガールって、こんなに不自然に捻り出さないともう成立しないのかな。
そう思うくらい不自然というか、無理くり辻褄を合わせているように見えた。
カラオケ屋に見えないカラオケ屋というのも、東京には存在してるのかね?
そういうとこにいる業界人への嫌悪とかあるのかな?
割と、そういう場所にいる人の描き方が、
「いつもテキーラのショット飲んでるチャラチャラしたただの陽キャ」みたいにしか見えなかったし。
だとすれば、麦くんがマニアックじゃない人を見下したり嫌悪したとしても、
かわいいもんじゃないの?
最近さ、東京にいるのがヘヴィみたいな映画に触れたせいか、
「そんなに辛ければ楽な場所に行けばいいのに」と思ってしまう。
絶対離れないくせに。
価値観とかくだらないんだよ。ただの見栄だわそんなもん。