なんか鈴木明子ちゃんが、羽生君の演技について、
「あえて、何か求めるとするならもっとエモーショナルに(感情表現をすること)」
と言ったことを、「鈴木ごときが羽生に向かって偉そうに…」
みたいなこと書いてるヤフーニュースみたいなの見たんだけどさ。
見たわけじゃないからわからないけど、
もしそれを明子ちゃんが言ったとすれば、至極まっとうな指摘であり、
これ、少しでもスケートに詳しい人なら「その通り」としか言いようがないと思うよ。
今でも4回転を武器にしない男子選手は上位にいて、
ジェイソンブラウンとか。
彼らの演技の特徴がそんな感じなのよ。エモいというか。
私が好きな大ちゃんの演技がまさにエモーショナルで芸術的で、
だからこそ、今みたいな4回転時代をあんまり面白いと思えないわけ。
結局「得点稼ぎ」が全面に出てくるし、
完成度が高いのはいいことだけど、
それだけで人の感情にまで訴えることは難しい。
まさしく、表現力に疑問があったから「なんか面白くない」と思っているわけで。
スケートは他の競技とそのへんが少し違うんですよ。
しかもさ、彼女は「あえて言うとすれば」という言い方で、
聞かれたから答えているだけであって、
「彼にはもう何も直すところはない、完璧です」というのもおかしいでしょ。
だいたい、五輪にも出場してる先輩の明子ちゃんに「ごとき」とか言う、
羽生ファンのほうがよっぽどわかってないと思うけど。。
もともとのスケートファンは、
技術的な点数だけではなく芸術的な演技をより評価してたように思うし、
だからそういう見方をする(表現力があるか)のは当たり前なんですよ。
それをさ、金メダル取ったからといって、
スケートでも羽生君のことしか見てない人らはさ、
「一番点数高くて一番強いのが一番偉いに決まってる」という見方をしてるわけじゃん、
明子ちゃんに「ごとき」とか暴言言えるってことは。
そういうことを言うから「にわかごときが」と嫌われるし、
羽生君の評価も下がると思うけどね。
まさにそういう事態を好ましく思えないから、
私はわざわざ「羽生君ねえ。。。」という言い方をするわけで、
実際そんなにテンション上がりませんよ。
今になってわかることだけど、
「エモーショナルな演技」というのは、言うほど簡単ではないということ。
割と、多くのスケーターは「表現力を身につける」というのを課題にしてたりするけど、
そうやって言うほど簡単には身につかないわけ。
もっと言えば、そこが優れていたのが明子ちゃんだから、
貴重な才能だったわけよ。
なので、あんまりそういうことを理解できないファンがいくら増えても、
スケート界にはプラスにならないような気がするなあ。
例えばリプニツカヤなんかも、プログラムの内容や曲が、
けっこう印象的なものが多くて、
キャンドルスピンという武器はあったけど、それだけの選手じゃないから。
レオノワなんかもけっこう面白いことしてた。
そういう、惹きつけられるプログラムが減っていくのは悲しい。
私は元々、アイスショーでジュニア時代の羽生君も見てるし、
当時はここまで上がってくる選手とは思ってなかったので、
それなりに感慨もあるんだけど、
「持ち上げられて当然」の人に敢えて言及はしない。
しかも「もっと表現力があれば…」みたいなことが言えるのは、
スケートのことを真面目に考えていればこそというか、
見る目があるからこそなんですよ。
「1位を取ったからすごい」の見方しかできないようなんだったら、
解説者も何も務まりはしない。
選手をやっててしかも世界で活躍した人が、
そんなものの見方しかできなかったらそっちのほうがよほど問題だと思いますけどね。
裏を返せば、私が嫌いというか、苦手な選手を、
何故嫌いかがわかると思うんだけど。
まぁいろいろがっかりですよね。。