なんか、地方の郊外にイオンモールみたいなもんがボコボコできて、
そこにタワーレコードやヴィレヴァンが入った頃のことけっこう覚えてる。
10~15年くらい前じゃないかな。
私が最初に行ったヴィレヴァンは下北沢店で、
薄暗い店内に小島麻由美のCDがあって「天才コジマ」というPOPがあったり、
「トラウマ必至」の激ヤバのエロ漫画が紹介してあったり、
要は「ショッピングモールの中にある面白雑貨屋」とは対極の、
ヤバイ雰囲気に満ち満ちた空間で、私はそこで根本敬さんのマンガとエッセイを買った(笑)
そんなものを普通に取りやすい棚に展示しているのはあの店だけだったから。
当時の下北にはほかにもヤバイ店があったので、
そこではつげ義春のマンガのA5版みたいなのを買ったけどね。
そのときは精神的には落ち込んでたけど、とんでもなく懐かしくて、
幸福な思い出だなーと思う。
私が最初に見たのは下北沢で、
そこにあるのがもっとも似合っているように思えてしまう。
吉祥寺だとまた違うんですよ。
思うにさ、サブカルチャーってやっぱりマイノリティのためのものであって、
そのパワーを甘く見たんだよ。
最近ではサブカルチャーをサブカル()みたいに言ってバカにする傾向もあるらしいけど、
浅野いにおがどうとかさ、本当にくだらない。
結局、広く薄く広めることなんてできないのがサブカルであり、
何故かと言えば、サブカルには「カウンターカルチャー」という意味も含まれているから。
特に何も深く考えないで日常を送れる普通の人には、
カウンターカルチャーは必要ないし、意味も分からないのよ。
普通にしてても生きていくことが苦しいって人にしか。
地元にあるヴィレヴァンには私はほぼ行かないし、
それは、デパートの上の方の階にあるんだけど、
たたずまいを見てもヤバさはほんとないもんね。
ゴーリーの絵本の特設とかはあったけどねw
パルコが、ただのファッションビルとして地方にあってもほぼ何の意味もないのと同じで、
ヴィレヴァンがどういう存在意義を持つかを考えるとき、
2000年ごろにはまだうっすら残っていた、サブカルチャーの意味を、
あらためて考えることができるように思う。
あの店は下北沢とか吉祥寺にあればいいのよ。
ラフォーレとかを地方に作ってそこにぶちこんでもあんまり意味がなくなっちゃう。
けど、地方に一瞬あったラフォーレ好きだったなーけっこう。
FOB COOPがもともとはどんな存在だったか、
覚えている人はもうあんまいないだろうな。。。
あそこで、白いカフェオレボウルに入れたカフォオレを飲むのって楽しかった。
まだスチームされたミルクが珍しくて、
エスプレッソめにいれたコーヒーに、自分でミルクを混ぜて飲むの。
今はそれこそ、ファーストフード店でも、
マシンでいれた泡立てコーヒーとかがあるし、
カフェの流行もフランフランも、すべてそういったところから始まっているんですよ。
なので、そこを覚えている世代がいなくなったとき、
そういったカルチャーは完全に死ぬなって思う。
もう今だって、カルチャーはほとんど死んでいるでしょ。
しかも、めぼしいものが出てきても、
「かっこいいなあ、素敵だなあ」と思える環境がもう損なわれている気がして。
自分自身、それを取り戻すために、
すこーし空気を変えないとなー、とは思ってるんです。
まぁ、そういうもんを否定する下の世代なんかには、
もう理解してもらおうとも、手を組もうとも、
まったく思わないんだけどねー。
本物を知らない人にいろいろ偉そうに言われても、
なんだかなーとしか思えないしね。。。