なんとなく「恋愛的瞬間」を読んで、
一人吉野朔実追悼会みたいになってしまった。。。
絵柄は「硬質」とか言われたりするけどあのマンガはフワフワした感じで、
話自体はほとんどホラーみたいな。
つうか、「ジュリエットの卵」も「エキセントリクス」もホラーだよね。
あれを貸してきた友人がなんか怖かったもん。
「少年は荒野をめざす」の狩野が少し心を病んでいく描写も怖かった。。
「瞳子」ではそういう面はあんまり出てこなくて、
家族の話が中心だけど、
それでも平和って感じでもない。
「彼女のマンガは下手な文学より文学」という評価を見たけど、
個人的には、もう文学はそんないらない時代というか、
文学を異様に愛でていた時代のほうが異常に思える。
だって吉野さんのマンガとか熱心に読んでたら、社会に適応できませんよ。
明治の頃の純文学なんかもそう。
そういう仕事をする人以外には、むしろ悪影響とさえ思える。
特に80年代は、精神を少し病んだりすることが、
なんかオシャレで高尚、みたいな感覚があった気がする。
贅沢な時代だとも思うけど、それも今思えば困った現象だし。
社会に出ることも、働くこともしなくていい人ならいいだろうけど。。
あまりそういった作品に没頭するのも、
正直人生にいい影響ばかりともいえないので、
ふつうに「名作」と思われているものを適度に、
人と一緒に見る程度でいいと思うな。
貸してきた友人に、吉野さんのマンガの感想とか求められたんだけど、
ああいう内面を共有したところで人に言えないし、怖い。
だからといって理解できないというわけじゃないんだよ。
だからまあ、「タブーに触れている」というのが正しいのかな。
今話題の「毒親」だったり、新興宗教にはまった家族とか出てくるし。
ただ、吉野さんが山本直樹に影響受けた、
というのは意外だったなあ。
「タブーに触れている」という部分だけは共通してますかね。
「レッド」とかさ、興味はあるけど怖くて読めないもんね。。
「ビリーバーズ」も完全に、狂った新興宗教の話ですけど。。