なんかさ、さくらももこのデビュー期をこんな鮮明に覚えてるのも、
冷静に考えると不思議でもあるんだけど、
当時の自分を思い出して、たかだか中学生くらいの子供でも、
もうかなり考え方は大人っぽかったのかも。
だってさ、あの頃のさくらさんの作風ってかなりシニカルで、
クリスマス会で出てきたサンタクロースがミマツ屋のおやじだの、
およそキラキラした少女漫画の世界ではなかった。
それでも普通に読んでいて、
「自分も、正統派よりも別の路線で描いたほうがいいかも」とけっこう思い悩んでたりして、
かなり自立心が旺盛だった感じがする。
やっと中学って時期なのに、もう将来はマンガ家と決めて、
投稿とかしてたからね。
私の場合は、致命的にストーリーを作るのが苦手で、
18歳くらいでは少女マンガに見切りをつけて、「スピリッツ」とか読むようになってたし。
けどまぁ、その頃にしたってカルチャーの絶頂期だから。
すごい作家が多くて、平凡な自分には活路はないって感じになってたかも。
私がよく覚えているのは、名前が思い出せないけど、
デビューの頃に家の引っ越しがあって、押し入れの中でネーム作ってた、
みたいなことを書いてた人がいて。
当時は高校生くらいでデビューするのが普通だったので、
その人もかなりデビューは早かったはず。
そういう体験談を読んで、なんかあこがれを持っていた感覚というのは、
割と覚えてるんだよね。
今調べてみたら、どうも「なかよし」でデビューした作家っぽい。
その少しあとになって、NHK-BSで「BSマンガ夜話」とかもあって、
そういう番組では、凡庸な少女マンガは取り上げられないので、
そのあたりから、
「世間から見えている少女マンガの世界って、
ほぼ無視みたいな感じなんだな」という感じがあって、
割と失望したかもしれない。
けど、案外ファッション雑誌とか読む前の自分は、
マンガからヒントを得て着たい服とか考えてたかもしれない。
小椋冬美さんなんか、めちゃくちゃスタイリッシュだもんね。
当時の少女マンガは相当大人っぽかった。
一条ゆかりなんてさ、大好きだったけど、
短大生の女の子の処女喪失のストーリーとか、
事細かに書いてたしね。
閉じている世界だからこそいいわけで、
そんなものをおおっぴらに異性に読まれたらたまったもんじゃない。
1980年って、一条ゆかりの「砂の城」がりぼんで連載してたらしいけど、
この年はつくづくすごい年だなと思うなぁ。
「なんとなく、クリスタル」もその頃だけど、
全く古い感じしないしね。
そこからほとんど進化していないともいえる。。。